毎日寝つきが悪い・きちんと眠れていないと感じている人は、自律神経の乱れが原因の可能性が高いです。今回は不眠に悩む人向けに、自律神経と睡眠の関係についてと、良質な睡眠をとるための改善策をご紹介します。

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自律神経と睡眠の関係

夜間になると、人間は体を休めるため「副交感神経」の働きを優位にし、体をリラックス状態へと切り替えます。しかし、自律神経が乱れている場合は「交感神経」が優位のままになってしまい、脳も体も覚醒状態になり寝付くのが難しくなってしまうのです。そのため、良質な睡眠をとるために、自律神経のバランスが整うことが重要とされています。

自律神経の乱れで起こる不眠症

では、自律神経の乱れによってどのような不眠が起こるのでしょうか。ここでは、不眠症をさらに細かい症状別にわけてご紹介します。

入眠障害

いわゆる「寝つきが悪い」という症状が、これに該当します。寝る体勢になってから眠りにつくまでに、30分以上かかるケースが多い場合は入眠障害を疑ってもいいでしょう。

中途覚醒

眠りに入った後、夜中に何度も目が覚める、もしくは一度目覚めるとその後眠れなくなるという症状が該当します。普段から深い眠りに入りにくい人や、加齢に伴い眠りが浅くなる中高年に多いです。

早朝覚醒

眠れはするものの、自分が起きようとしていた時間より数十分以上も早く目が覚めてしまい、その後寝れない状態が続く症状です。一見問題なさそうに思えますが、寝る時間は変わらないのに早い時間に起きる状態が続くと、結果的に寝不足を引き起こす恐れがあります。

熟眠障害

しっかり寝ているはずなのに、寝た気がしない・眠気が取れない・いくら寝ても眠いという症状が該当します。これは、脳を休めるノンレム睡眠（深い睡眠）が通常より浅いため、睡眠の質が悪くなって起きるもの。自分では眠っているつもりなので気付きにくいですが、文頭で紹介したような症状が続く場合は、一度検査を受けてみましょう。

不眠がもたらす症状

不眠症が起きると、日中に以下のような症状が出やすくなります。

 

• 我慢できないほどの眠気
• 集中力の低下
• 業務パフォーマンスの低下
• やる気の低下（無気力）
• イライラや不安など精神面への影響

 

以上は、体の疲れが溜った際などにも出やすい症状ですが、明らかに睡眠と関連していると感じた場合は、早めに専門医を受診しましょう。

自律神経による不眠の改善策

では、自律神経の乱れで引き起こされる不眠はどのように改善すればいいのでしょうか。ここでは、おすすめの改善策についてご紹介します。

生活習慣の改善

まず、睡眠の乱れ自体が起きている人は生活習慣を改善しましょう。毎日同じ時間に寝て起床する習慣をつける・寝る前にPCやスマートフォンの利用は避けるなど、質の良い睡眠をとる方法を取り入れてください。また、暴飲暴食や寝る前のカフェイン・アルコールも避け、適度な運動をして夜に体が寝やすい状態を作ることも大切です。

ストレスの緩和

ストレスを完全に消し去るのは難しいですが、できるだけ就寝前にはリラックスタイムを作るようにしましょう。好きな音楽を聴く、本を読むなど自分が楽しいと思える時間を作ってください。またこのとき、リラックス効果のあるアロマやお香など、香りによるストレス緩和を取り入れるのもおすすめです。

ストレッチで緊張をほぐす

寝る前の軽いストレッチも、不眠改善に効果的です。筋肉が凝り固まっていると体が緊張状態を解除できず、交感神経が優位に立ってしまいます。ストレッチで体をほぐし、血流を良くするとリラックス効果とともに副交感神経が優位に立ち、体が休息モードへと変化していくのです。

湯船につかる

普段シャワーで済ませている人は、湯船につかる生活に切り替えましょう。39～40度程のぬるま湯に15分以上ゆっくりつかると、副交感神経が優位になり、体は休息モードへと切り替わり睡眠を誘発しやすくなります。熱いお湯に浸かってしまうと、交感神経が優位に立ち寝つきが悪くなる可能性があるため注意しましょう。

呼吸法を活用する

寝つきが悪い人は「478呼吸法」を取り入れてみましょう。

 

1. 息をすべて吐き出す
2. 鼻から4秒かけて息を吸う
3. 7秒間止める
4. 口から8秒かけて息を全て出し切る

 

慣れないうちは苦しければ、秒数を変えても問題ありません。ポイントは呼吸に意識を向けることです。寝付けない場合は、頭の中でいろいろ考えてしまうことが多いため、呼吸を意識することでリラックス状態を作り出し、眠気を誘発しやすくなります。

自律神経を整えれば睡眠は変わる

自律神経は、睡眠と深いつながりを持っています。自分の睡眠に対して質が悪い・充分ではないと感じている人は、まず自律神経を整えることを意識してみましょう。慢性的な不眠になる前に、自己ケアを行い場合によっては早めに専門医を受診しましょう。